動脈硬化最新検査から漢方まで。西洋&東洋医学のエッセンスを取入れ統合医療を実践。横浜元町・小菅医院、朱雀漢方医学センター
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このページでは漢方薬にまつわるお役立ち情報・最新の研究結果・診察室での話題などを2ヶ月に1回の更新でご紹介していきます。

第5回:名医の薬籠:その2

(前号よりの続き)

4.中肉中背で瘀血タイプ(桂枝伏苓丸料)
中肉で血色がよい。赤ら顔が多く、頭痛、肩凝り、のぼせを訴える。下腹部に圧痛があり、いわゆる瘀血の証がみられるタイプです。桂枝伏苓丸料は駆瘀血剤の代表的な漢方です。桃仁、牡丹皮が体の中の瘀血を排出させ、桂枝が気を巡らし、血行をよくし、瘀血をとる力を高めます。

5.中肉中背でガス腹タイプ(折衝飲)
中肉中背でガスが多く、腹部が張りやすいタイプ。腹痛、腰痛、下腹部から腰にかけてひきつるように痛んだり(疝痛)、生理痛、生理不順を訴えることがあります。特に夫婦関係の際の性交痛、腹痛が診断のポイントとなります。折衝飲も駆瘀血剤の代表的な漢方です。当帰芍薬散と桂枝伏苓丸料を合方し、延胡索などの気滞を取り除く薬を加えてあります。

6.冬に手足がほてり易いタイプ(温経湯)
比較的体力の低下した人で、冬になると下半身は冷えるが手掌がほてる(煩熱)タイプ。口唇や足の踵がカサカサする人も多くみられます。温経湯は下焦の虚寒と血虚と瘀血を兼ねた病態であり、当帰芍薬散と桂枝伏苓丸料を合わせ麦門冬、阿膠などの滋潤剤を加えた薬方です。

7.みずおちから脇腹が張るタイプ
  (大柴胡湯、大柴胡湯合桂枝伏苓丸料)

体格がよく肉づきのよい肥満タイプで、頭痛、肩こり、便秘を訴えます。体重が多く、体脂肪の多いタイプは、それだけでもホルモンのバランスを乱し、生理不順、不妊の原因となるものです。まずこのようなタイプは体重を減らすことに治療の主眼をおきます。大柴胡湯には脂肪代謝を促進させて体重を減少させる働きがあります。またこのタイプは体重の増加とともに瘀血も体内に滞っているので、桂枝伏苓丸料と合方し、瘀血の排出を促すようにします。

8.余分な水分が多いタイプ(防巳黄耆湯)
水太りの体質で、疲れやすく汗が多いタイプです。肌は色白で湿り気を帯び、筋肉はやわらかく締りがない印象があります。こうした、汗の多い水太りのタイプは妊娠もしにくいのですが、それ以上に流産しやすい傾向にあります。防巳黄耆湯は利水剤の代表的な処方の一つです。防巳、白朮は体の水分の流れをよくし、余分な水分をとり、黄耆は肌を固め汗の出すぎを止める働きがあります。処方全体として、水太りタイプの方の余計な水気をさばき、受胎しやすく流産しにくい体づくりに役立ちます。

以上のように8タイプに分けましたが、実際にはその枠に収まりきれない複合型のタイプももちろん多々あり、診断と治療を複雑にしています。漢方不妊治療は腹証・腹診に重点をおいた随証治療により、冷えの改善・瘀血の除去・基本的な母体づくりをめざして行っています。

(文責 寺師碩甫)


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